第15章 Always thinking about you…
二宮side
大野さんが喋らないのは想定済だから
そのままJとの会話を続ける。
テレビ局は深夜にも関わらず
そこそこ人はいる。
どこで見られてるかも分からないから。
弱味は見せたくない。
「明日、オフでしょ?」
M:「え?マジで?
さっき確認したらミーティングは
あるみたいだったけど?」
「うわ、まじか?
ゲーム三昧のつもりだったのに」
M:「相変わらず、好きだね?
あっ、俺、鍵返してくる」
Jがタレント受付に立ち寄る。
その横をそっと大野さんを支えながら
通り過ぎる。
いまのこの人の顔を人目には
晒したくないから…。
そのまま駐車場へ移動する。
すぐに追い付いたJがロックを外し、
その後部座席に大野さんを押し込み、
自分もそのまま大野さんの隣に乗り込んだ。
M:「まっすぐ戻っていいよね?」
「うん、それで。疲れてるのに悪いね」
バックミラー越しに視線を交わす。
そのJの目が心配そうに大野さんを見る。
M:「それは平気。それより智くんを…」
「うん、こっちで見てるから安全運転で」
M:「当たり前だろ?
メンバー乗せてるんだもん」
「ふふふ、信頼していますよ」
M:「なんか嘘くさい」
「失礼な!」
なんて言って笑う。
正直、こうでもしないと息が
出来なくなりそうで…。
一人暗い空気を背負ったままの
大野さんをみる。