第15章 Always thinking about you…
二宮side
俺も潤くんも智さんも…
誰も動けなくて…、
きっかけさえ見つけられなくて…。
このままどうしたらいいか分からなくて。
そっと時計に目をやる。
テッペンはとっくに越えてる。
相葉くん、汐留に着いたかなぁ…。
そんなことを考えてると
膠着したこの空気を壊すようなノックの音に
反射的に返事をした。
がちゃりと控えめな音をたてて扉が開く。
そこには申し訳なさそうな顔をした
警備員さんがいた。
警:「失礼します、警備のものです。
まだお使いになりますか?
それでしたら、そのように
引き継ぎたいんですが…」
控えめに言うその人に
Jが何事もないように言う。
M:「遅くまでお疲れさまです。
すみません、打ち合わせが長引いて…。
あっ、でも、もう出ますんで…」
申し訳なさそうに、
でもアイドルスマイルを載せた
最高に好感度高い顔を作って対応するJ。
警:「急かすような真似をして
申し訳ありません」
「いやいや、こちらこそ。
鍵はタレント受付で大丈夫ですか?」
俺も笑顔で荷物をまとめながら話す。
警:「はい、そちらでけっこうです。
では失礼します」
扉が閉まり元に戻った楽屋。
だけどこれがきっかけになった。
「潤くん、いつまでもここにいても仕方ないし
とりあえずここを出よう?」
潤くんと顔を見合わせ
号令のように声をかけた。