第15章 Always thinking about you…
松本side
いつも俺たちを背中から護ってくれる
この人が、何があっても動じないと
思ってたこの人が震えてる。
抱き止めた身体の小ささを
頭では分かっていたはずなのに
庇護欲が擽られる。
こんな状態のこの人を
翔さんのところにはやれない。
それは声には出さないけど
この場の3人の共通認識だと思う。
いつも俺たちの前と後ろを走り、
常に護ってくれる二人。
翔さんが先頭を切るときは
後ろから翔さんを含め護ってくれる
智くん。
智くんが前を行くときは翔さんが
俺たちに目を配りながら
その横に行く。
見事なコンビネーション。
ふたりはいつもそうやって俺たちを、
嵐を支えてしたんだって改めて思う。
きっとおれや、ニノや、相葉くんが
今の翔さんと同じ状況になっても
智くんがこんな風になることは
ないと思う。
その時は二人で毅然とした態度で、
凛とした面持ちで、立てるように
サポートするに違いない。
うちの上のふたりには
絶妙なバランスと空気感がある。
そのバランスが完全に狂ってるんだ、
今は…。
ニノが智くんの説得を続けてる。
智くんが頑なにそれを拒んでる。
そうだ、この人頑固なんだよなぁ。
今は翔さんのことで頭いっぱいだから
余計に頑になってる気がする。
いつもならニノの言うことは
割と受け入れるはずなのに
それさえしない。
気持ちは解るけど…それじゃダメなんだよ。