第15章 Always thinking about you…
松本side
翔さんのこと、番組のことを考えてる俺の耳に大野さんの声が聞こえる。
なぜかプロデューサーに謝ってる。
O:「…俺たちの力不足で
ご迷惑をおかけします。
最後まで頑張りますので
よろしくお願いします。
4月以降も櫻井が引き続き
お世話になります…」
こういう時のリーダーは普段の雰囲気と
違うから…プロデューサー、面食らってる。
別に大野さんだけの責任でも、
俺たちだけの責任でもないと俺は思うけど…。
多分リーダーも同じように思ってるだけど…。
大野さんは大人だから…
こういうときこうやって自分が下になって
言うんだよなぁ…。
O:「今後のこと、メンバーと話したいので…、
外してもらってもいいですか?」
リーダーの声に含まれる
有無を言わさない響き。
言外に出て行ってくれと言ってる…。
さすがにプロデューサーもわかったのか
楽屋を出て行った。
楽屋がまた俺たちだけになった。
ニノは考え事をしているのか
楽屋の一点を見つめてる。
相葉くんは多分、
いたたまれなくなったんだろうなあ。
独り言のように呟いてる。
大野さんはさっきまでの怒りが影を潜め、
手を組んだままその手に額を載せ、俯いてる。
ここから伺うことが出来ない表情が
不安を煽る。
それまで一点を見つめるようにしていた
ニノが突然動いた。
少しの間を置いて部屋に流れる
聞き慣れたテーマ音楽。
そっかぁ…11時だ。
翔さん、大丈夫かな?
目線を楽屋の小さなテレビに合わせた。