第15章 Always thinking about you…
松本side
聞かされた事実が重すぎて消化出来ない。
1日ががりの収録で疲れたところに
突き付けられた宣告。
いや、今、その番組撮ってたところだけど…。
楽屋に帰っても納まらない感情。
「それって…つまり打ちきり…ですか?」
プロデューサーへの確認なのかなんなのか、
口から零れた一言。
なんなんだ、この状況?
零れた一言に力はなかったけど、
どうしようもない状況に憤りを感じていた。
久しぶりに切れそうになった俺を
リーダーが目で止める。
普段の柔和な目と違う鋭い視線。
そうだ、この人怒ると誰も勝てないレベルで
怖いんだよ…。
そして今、メチャメチャ怒ってる。
静かに怒ってる。
しかも、翔さん金曜日に知ってたの?
絶対悩んでるじゃん。
一人、感じなくていい責任感じてるじゃん、
絶対。
あの人、可笑しいぐらい真面目なんだから…。
自分だけ残るって…
絶対グルグルしてると思う。
この状況、絶対にまずい。
もちろん、俺自身もまったく
納得できないけど…。
なんで?って思うけど…
どこかでやっぱりって思ってるのかも…。
5人でやらなくなってから
少しずつ歯車が狂ってきた気がしてたから。
5人でやってた時の方が
それぞれの持ち味が出てた気がする。
今が悪いわけじゃないけど…。
どこか無理をしてるっていうか…。
昔のバラエティー番組での俺たちみたいで…。
なんか戻っちゃったみたいで
居心地が悪かったから…。
どこかでこんな日が来るのを
感じてたのかもしれない。
ただ…こんな結末になるとは
予想してなかったけど。