第15章 Always thinking about you…
二宮side
プロデューサーが連れてきた場所は
編成局長室。
編成局長…かぁ。
編成局はテレビ局の番組に関する機能の中心。
番組の放送日時やキャスティング、
CM枠の管理などを行う。
番組存続の可否や新番組の概要なども
ここで決める。
そんな編成のトップに立つのが編成局長だ。
そんな人の部屋に連れてこられるって…
正直嫌な予感しかしない。
「大野さん?」
小声で声をかけるといつもよりも堅い笑顔で
俺を見る。
O:「ん、大丈夫」
小声で言う。
何が大丈夫なのかわからないけど
なぜかこの人が大丈夫と言えば
大丈夫な気になる。
ノックをするプロデューサー。
一瞬、後ろの相葉さんとJに視線を送り
安心しろという顔をする大野さん。
中から声がして扉を開く。
プロデューサーに促されて入室した。
部屋の中にもう一枚、扉があり
その扉の中に招かれる。
小さめの応接室。
部屋の中にある部屋がこの部屋の主の
会社での地位や権力を
いやがうえにも教えてくれる。
小さな部屋の中で編成局長から
告げられた内容。
番組の終了と新番組の話。
嫌な予感って当たるもんだね?
しかもある意味、最悪だ。
こんな後味の悪い結末ってある?
編成局長は言うことを言うとあっさりと
小部屋を出て行った。
取り残された俺たち。
誰もなにも言えなくて…。
プ:「とりあえず、楽屋に戻りましょう?
そこで少し話しませんか?」
プロデューサーの声を合図に
俺たちは楽屋に戻る。
楽屋までの道のりがこんなに遠く感じたのは…
初めてかもしれない。