第14章 Dear my doctor
櫻井side
次の瞬間、智くんの唇にキスを落とす雅紀。
O:「雅紀???」
「雅紀、お前!」
智くんの驚いたような声に俺の叫び声が重なる。
A:「大ちゃん、早く元気になってね?
で、甘えさせてね」
そう言って再び智くんにキスをする。
しかもさっきよりも長く…!
「おまっ!」
A:「ご馳走さま!
翔ちゃん、これぐらいいいよね?」
にやりと笑って俺を見た雅紀は「お邪魔虫は退散するね」って言いながら部屋を出ていった。
顔を更に赤くした智くんの唇にキスをする。
O:「翔…ちゃん?」
「消毒!」
O:「翔ちゃん…」
困ったようは顔で俺を見る智くん。
「いいの。
だってさみんなもっとワガママになれって
言うし…ね?」
O:「それ、違うと思うけど…」
「いいの、いいの。
ほら、もう、黙って、少し寝なよ?
これ以上熱が上がったらほんと辛いし…ね?」
まだ納得してない様子の智くん。
むーって唸ってる。
かわいいからそのまま見てると、体をもぞもぞと動かしだし…ベッドの端に移動する。
空いた空間を手で叩いて、ふにゃと笑ってこっちをみる。
O:「翔ちゃん、いっしょに寝よ?」
「へ?」
O:「いいでしょ?
翔ちゃん、あんまり寝てないでしょ?
イケメンが台無しだよ?ね?寝よ?」
上目遣いでいつもよりも熱で潤んだ瞳で見つめられてNOは言えるわけない。
「…ん、わかった」
そっとベッドに潜り込み、氷枕を智くんの首の下に再度入れて…胸を軽く叩く。
しばらくすると聞こえる寝息。
その平和な音に俺も眠りに落ちた。