第14章 Dear my doctor
櫻井side
N:「翔ちゃん…あのね?確かに心配はしたよ?
スゴくね、スゴく心配したよ。
でもね…迷惑はかけられてないよ」
和の言葉に思わず顔を上げた。
N:「なに鳩が豆鉄砲くらったみたいな
顔してるの?
迷惑なんてかけられてないよ?
だって辛いのは翔ちゃんでしょ?
あんなの急にしかも一人で聞かされて
平気な人、そうそういないと思うよ?
俺たちだって4人で聞いてもキツかったし…
でもさ、一人で悩まないで俺たちに教えて
欲しかったし巻き込んで欲しかった…
だってどのみちわかることでしょ?
ってかさ、仲間じゃん?俺たち。
少なくとも、私はそう思ってるんですけどね?」
黙って聞いてる俺にニッコリ笑いながら言う。
N:「翔ちゃん、今回の件、ひとつ貸しね?
高くつくから…覚悟しといてね?」
そういって「まーくん、わたしにもコーヒー」と言いながらキッチンに行った和。
残された俺と潤。
さっきから一言も話さない潤。
どうしたもこうしたも俺が悪いから俺から切り出さないといけないんだけど…。
潤の迫力にすっかり萎縮してる俺。
口火を切ったのは…潤だった。
M:「あのさ、俺ね、今回の件、正直かなり怒ってるの」
「ごめん…」
咄嗟に謝る俺を潤の鋭い視線が射る。
M:「『ごめん』って翔さんさぁ、
わかってないでしょ?」
「う、うん」
M:「なにに怒ってるかわかる?」
きつい口調の潤に首を振るしか出来ない自分がいた。