第14章 Dear my doctor
相葉side
目覚めた時、そこには少し拗ねた顔の翔ちゃんが立ってた。
S:「一緒に寝るって言わなかったっけ?」
「ごめんっ!
翔ちゃん気持ち良さそうに寝てたし…
片付け…だけって…
…思っ…て…」
徐々に小さくなる俺の声。
S:「いいよ、別に
怒ってないから
たださ、そんなところで寝てたら
風邪引くじゃん?
俺の方こそごめんね?
色々迷惑かけたよね?」
ちょっと寂しそうに呟く翔ちゃん。
なんとか笑ってほしくて…。
「迷惑なんてないよ?
問診の練習させてくれてありがとう」
敢えて言ってみた。
S:「バーカ。あんなの練習になんないだろう?
今度、ちゃんと付き合うから…」
そこで言葉を切って少し笑う。
S:「あのさ、雅紀、医者役、合ってると思うよ?
なんか癒されるっていうか…
日だまりにいるみたい。
自信もっていいと思うよ。
雅紀なら出来るよ。
【医は仁術】っていうけど…
まさにそんな感じだよな」
「え?なに?どんな意味??」
S:「それくらい、自分で調べな」
そう言った翔ちゃんは俺の頭をぽんっと一つ軽く叩いて、横を過ぎる。
S:「雅紀、ありがとな…」
小さなでも真っ直ぐなこの人らしい声が聴こえた。
チラッと視界に映ったら顔は何かを吹っ切ったような爽やかな表情をしていた。