第14章 Dear my doctor
櫻井side
俺のことを抱えあげた雅紀。
細いのにどこにそんな力があるんだ?
A:「翔ちゃん、軽くなったね?
ダメだよ、ちゃんと食べないと」
「バカ、それは俺の台詞だよ?
お前、ドラマのプレッシャーで
そんなに食えてないだろう?」
A:「そんなこと…ないよ?」
いや、バレバレだけど。
「一緒なら食える?」
A:「………うん…多分…」
なんとも頼りない言葉に対策考えなきゃって気持ちになった。
そんなやり取りをしてるうちにバスルームに着き、椅子に降ろされる。
A:「ちょっと待ってて」
俺の肩に掛かるようにシャワーを調整して、すごい早さで自分のことを洗う。
A:「お待たせ、さて翔ちゃんもサッパリしようね」
なんか子ども扱いされてない?俺。
煌々とした明かりのバスルームで身体を洗われるのはスゴく恥ずかしい。
しかも雅紀の手つきが…。
「ばっ…お前、どこ触ってんだよ!?」
A:「どこって…からだ?
ってか動かないでよ」
「動くなって言われても…」
その間にも雅紀の手はお構いなしに動く。
A:「一旦流すよ」
雅紀がシャワーで俺の体についた泡を洗い流していく。
そして…。
A:「翔ちゃん、一回立って」
俺の座ってた椅子に座ると
A:「翔ちゃん、俺の膝に乗って。
俺と向き合う形でね」
と事も無げに言ってきた。