第14章 Dear my doctor
相葉side
翔ちゃんは俺のこと、強いって言うけど…そんなことないよ。
ドラマの現場で思うもん。
ほんと、プレッシャーが半端ない。
数字を背負う重さに潰れそうになる。
でもさ、毎週生で、報道やってる翔ちゃんの方が余程強いと思う。
「翔ちゃんがさ、4月以降も任されるのは
それまでの番組できちんとMCを
務めてきたからでしょ?
ニュースとか特番とか頑張ったからでしょ?
それって翔ちゃんの努力の成果じゃない?
俺たち、翔ちゃんが努力してるの知ってるよ。
だって一番近くで見てるんだから…。
翔ちゃんが喜ばなくてどうするの?
あのさ、翔ちゃん、自己評価
低すぎじゃない?
なんで翔ちゃんが翔ちゃんを
誉めてあげないの?
みんなにはあんなに優しいのに…。
何で、そんなに自分のこと虐めるの?
もっと自分のこと認めてあげなよ?
もっと我が儘になりなよ…。
自分の欲望に素直になりなよ。
翔ちゃんが我が儘言ったってメンバーは
みんな受けとめるよ?
もっと俺たちのこと、信用しなよ」
翔ちゃんがすごく不思議そうな顔で俺を見る。
あれ?俺、なんか変なこと言った?
S:「無理だよ。俺には…出来ないよ。
でも雅紀みたいに考えられたら…
こんな風にならなかったのかもね…」
翔ちゃんは静かに微笑んだ…目から綺麗な雫を落としながら…。