第14章 Dear my doctor
櫻井side
相葉くんの言葉と前向きさはまるで注射のような即効性をもって俺のささくれだった心を癒す。
相葉くんは言葉を選びながら自分に言い聞かせるように続けた。
A:「俺ね、バラエティーにしろ、
ドラマにしろ一人で出ててもね、
一人な気がしないの。
いつも隣にね、背中にね、
みんなの存在を感じるの。
ドラマで初めて共演させてもらう人もさ、
案外ほかのドラマでメンバーが共演してたり
してさ、お陰で気さくに声掛けてもらえて
はじめまして感が少なくってさ。
ほんと、みんなのお陰だなって。
画面には映ってないけど…
でも確実に支えてもらってて…。
今撮ってるやつもそうだけど…
主演嵐の相葉雅紀とか相葉雅紀(嵐)って
どの雑誌にも載ってるんだよね…。
だからさ、気分は嵐を代表して演じさせて
もらってるよ。
転けたらマズイっていつも心のどっかしらで
思ってる。
おれのせいで『嵐が…』って言われるのは
嫌だから。
おかげでいい緊張感があるよ?」
真っ直ぐな目差しが今の俺には眩しくて…思わず目をそらす。
A:「翔ちゃん?どうしたの?どっか苦しいの?」
目をそらした俺に心配そうに声を掛ける。
「大…丈夫…。体は平気…
雅紀は強いね。
俺は…。
どうしたら雅紀や智くん、和、潤に償える?
どうしたらいい?」