第13章 Childhood's end
大野side
次の瞬間、
和が勢いよく立ち上がり浴槽を出た。
「かーず?どうしたの?
一緒にって言ったの和じゃん?」
N:「だって…
そのまま一緒に浸かってたら…
俺がヤバイの!!」
そう言って顔を真っ赤にしている。
かわいいからついからかいたくなる。
「ふーん、じゃ次は先に一緒に入ろうね?
お風呂、声響くし、鏡もあるしね?」
N:「もう!智のエロ、馬鹿!」
顔を更に赤くして、
捨て台詞を残して
リビングに行ってしまった。
「『馬鹿』って…。
次はタップリ風呂場で啼かしてやろう。
覚悟しとけよ」
和に聞こえないのをいいことに呟きつつ、
機嫌をとる方法を考え始める。
結局思いつかなかったけど
のぼせそうだったから
とりあえず風呂は出た。
リビングに戻ると着替えた和が
ソファーに凭れるようにして
うつらうつらしてる。
冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを
出して飲みながら、
和のいるソファーに向かう。
起こすのは忍びないけど…
このまま寝かす訳にもいかないし…。
「和?起きれる?
眠いの判るけど、ここで寝たら
腰、痛めるよ」
おいらの声に微睡みから覚める和。
まだぼーっとしてるのかいつもよりも
さらに幼く見える。
N:「ん?さとし?…寝よ?」
「和…寝るのはいいけどここじゃダメだよ。
ほら、客間に行こ?」
おいらの服の裾を引っ張って
そのままソファーに寝転ぼうとする和を
止めて逆に抱き起こす。
「ほら、行くよ?」