第13章 Childhood's end
大野side
眠気で力の入らない和の腕を
おいらの首に掛け抱っこして
客間に連れていく。
客間のベッドに和を下ろして布団をかける。
幸せそうな寝顔。
まるで全てが夢だったかと錯覚するほど
穏やかな表情の和。
でも今日の出来事も
和が過去に経験したことも
全部事実なんだよな…。
胸に浮かぶ複雑な感情。
明日は5人で仕事。
翔ちゃんたち心配してるだろうし…
どう話すべきかな?
東山さんにも…。
ため息を飲み込み、和の寝顔を眺める。
いつまでもこのままいたい気分だったけど
そうもいかない。
そっと立ち上がり客間を出た。
明日の時間を確認して、
寝室のシーツを変えて…。
なんか眠れなくて軽く飲んで…
そのまま気がついたらソファーで寝てた。
おいらの体にかかるブランケット…。
あれ?おいら掛けたっけ?
目を開けるとジトッとした目で
おいらを見る和がいた…。
N:「こんなところで寝てると風邪引くよ?
ってかそもそもなんでこんなところで
ひとりで寝てるんですか?」
【ひとり】の部分をやけに強調して話す和。
「え?なんでだろ?」
N:「『なんでだろ?』じゃないでしょ?
起きたら…隣に居ないし…。
全部…夢かと思ったじゃん…」
泣きそうな顔の和。
ソファーから体を起こして和の腕をとる。
軽く引っ張って
ソファーに座らせて和の顔を見た。
「ごめん。
客間のベッド狭いから…。
あれ以上、
和のこと疲れさせたくなくってさ。
気持ち良さそうに寝てたから…
邪魔出来なかった」
N:「ごめん…なさい、
智さんの気持ち判らずに責めて」
和がすこし、ばつの悪そうな顔をして言う。