第13章 Childhood's end
二宮side
かわいいを連発する智さん。
喜んでいいのか…かなり複雑。
黙りこむ俺の頬に
智さんが指の甲の部分を滑らす。
それまでのふざけた表情から一転して
真剣な眼差しで俺を見つめる。
O:「和、おいらの、おいら達の傍にいろよ。
例え世界中がお前の敵になっても
おいらが…おいら達が守るから…。
だから安心しておいら達の前では
素ままの和でいろよ。
裸のままの和を晒していいんだよ。
我慢なんかするな。
おいらがなんとかするから…。
もう自分を解放してやりな、
過去から。
小学生の頑張って耐えた和也くんは
たくさんの優しさを持つ
大人になったんだよ。
かわいい和、愛してるよ」
そう言ってその胸に抱きしめてくれた。
智さんの眼差しに言葉に包まれて
心の奥で何かが溶ける気がした。
耳に心地いい智さんの心臓の音。
頭を撫でる手。
いつからかここは
最も安心できる場所の一つになった。
「智さん、ありがとう。
俺のこと、離さないでね、傍にいてね」
O:「安心しな、絶対離してやんないから」
智さんのキメ顔が見えた気がして
思わず笑う俺。
O:「なに笑ってんだよ。
ほら、風呂入ろう?
そのままじゃまずいだろ?」
「いいよ、もぅ動けないし…」
O:「いいわけないだろう?
そのままじゃ…明日…」
言い澱み、赤面する智さん。
人にかわいいって言うけど、この人、
自分がどれほどかわいいか自覚がない。
こっちのほうが困りモノだと思う。
「でも…ほんと、動けないよ」
ちょっと笑いながら言うと
仕方ないって顔しながら、
お姫様抱っこで
俺をバスルームに連れてった。