第13章 Childhood's end
二宮side
抱き上げられ、
そのままベッドに連れていかれる…
と思ったのに…。
「智?ねえ?どこいくの?」
O:「どこってベッドだよ?
だって、ソファーじゃ嫌でしょ?」
「だって、寝室…」
確かこの人の寝室はマンションの一番奥の
南側の部屋のはず…。
O:「あぁ、こないだ模様替えしたの。
だから今はこっち」
そう言って俺を抱上げたままドアを開け、
そのまま器用に電気を点けた。
そのままベッドに俺を置く。
ベッドに座ったまま、部屋を見渡す。
間接照明が灯る部屋には
ベッドとベッドサイドに置かれた
チェストがあるだけ。
すごくシンプルな部屋。
なのに…。
不釣り合いなまでの
壁一面の大きな鏡に驚いた。
「ねぇ、この鏡、なに?なんであるの?」
O:「ここ、もともとスタジオがわりなの。
振り、考えたりするのに使う部屋で、
前の寝室をアトリエにしちゃったから
邪魔になったベッドを
こっちに持ってきたの。
おいらソファーで寝る方が落ち着くから
基本はソファーで寝ちゃうじゃん?
でも邪魔されずにひたすら寝たいときは
こっちなの。
ここ、防音仕様だから」
「防音?」
O:「だからね、和がどれだけ声をあげても
大丈夫だからね?」
ニヤっと笑って
さらっとんでもないことをいう。
「…なに言ってんの?」
O:「ふふふ…か~ず、たくさん感じてね?
おいらの愛♡」
満面の笑みを浮かべた智が後ろから
俺を抱き締めキスをしてくる。
顎に指が延び、自分の方を向かせる智。
いきなり噛みつくようなキス。
部屋に響くキスの音。
口の中を智の舌が蹂躙する。
「あっ…ふっ…ん…」
舌が絡まり、唾液が音を立てる。
普段よりも響いて聴こえる水音…。
「やっ…智…なに?なんで?」
O:「ん?なにが?」
キスの合間に聞く俺に
不思議そうな智の声。
「なんで…こんなに…響くの?
…その…キスの音」
言いながら俺、
絶対、赤面してると思う。