第13章 Childhood's end
二宮side
感情のままに泣き叫ぶ俺を
この人はどう思う?
呆れてる?
自分でも、もうよくわからない。
もう会うはずのない人間に会って
色々思い出して…
ぐちゃぐちゃな気持ちを
この人の優しさでなんとか保って…
そこに甘えて…。
どんだけガキなんだよ!
でも…止まらない。
ずーっと心の奥にある気持ち。
自分が嫌い。
自分が信用出来ない。
でもそんな自分を捨てられない。
理不尽な怒りをぶつけられる目の前の人。
この期に及んでもその顔に
呆れの色が見えないのはなんでだろう?
綺麗な指が俺の頬を拭い、
頭を抱えるようにその胸に押し付ける。
左の耳に聞こえる心音。
右の耳からは少し低い大好きな声が
聴こえる。
O:「和…和、落ち着いて。
大丈夫だから、おいらは傍にいるから。
おいらは和が好きだよ。大好きだよ。
例え和がどんなに和のことを嫌いでも
おいらは和が好きだよ。
和が自分のことを好きになれなくて
苦しいなら好きになれるように
何度でも何度でも
和の良いところを教えるから。
和は和を好きになっていいんだよ。
和がいるから幸せになる人は
たくさんいるよ。
おいらもそうだよ。
たくさん甘えていいんだよ。
もっともっとおいらに甘えて、頼って。
ちゃんと支えるから。
周りに甘えてるおいらにもちゃんと
存在意義があるって…和が教えて。
おいらも一生懸命伝えるから…。
和を…抱きたい…」
顎に指が添えられ少し上がったら唇に
少し乾いた唇が触れる。
そのまま抱き上げられ、部屋へと移動する。