第13章 Childhood's end
大野side
「嫌いじゃない!嫌いな訳ないだろ?」
N:「でも…俺は嫌いだ!
こんな俺のことが…大嫌いだよ!」
吐き捨てるように言う和。
N:「過去のことを延々と引きずり、
周りに心配させていつまでも
大人になれない自分が嫌いだよ。
あなたに『ずるい』と言わせてしまう
自分が嫌いだ!」
和の一言、一言が重い。
和の中の孤独が透けて見える。
どうしたらこの孤独を救える?
救うなんておこがましいのはわかってる。
でもこのままになんて出来ない。
「おいらは…それでもおいらは…
そんなところも含めて和が好きだよ。
どうしたらいい?
どうしたら和にこの想いを伝えられる?」
N:「じゃぁ、抱いてよ?
あなたの想いを身体に刻み込んでよ。
俺があなたの傍にいてもいいと
教えてよ!」
半分泣きながら叫ぶように言う。
「和…。それでいいの?」
N:「『いいの?』?いいのってなに?
なんで、そんなに確認するの?
そんなに嫌なの?!
俺のことやっぱり嫌いなの?
だから抱いてくれないの?
触れてくれないの??」
「嫌いだなんて言ってないだろ?
ちょっと落ち着けよ」
ヒステリックに叫ぶ和を見て…
そこでようやく気がついた。
珍しく和が
感情をむき出しにしてることに…。
何度も何度も確認しないと怖いんだ、
きっと。
過去の経験が和を臆病にさせてるんだ。
相手に散々確認して、疑うだけ疑って
それでも変わらない相手じゃないと
安心できないんだ、きっと。
だからか…。
ならば何度でも伝えよう、
好きだって、愛してるって…。
心にも身体にも…。