第13章 Childhood's end
大野side
N:「俺が望むなら…って
あなたは望んでないの?
智は望んではくれないの?」
和が寂しそうな顔で聞く。
「おいらの好きはずるいから。
和のことも、翔ちゃんのことも、
潤くんのことも、雅紀のことも好きで…
みんなに甘えて
それぞれと関係を持って…。
これはおいらが望んで
みんなを巻き込んだ上で作った関係で…
これをこれ以上望むなんて
我が儘過ぎるでしょ? 」
そう言うおいらを和の目が
強い意思を籠めて射る。
N:「我が儘じゃないよ。
俺は巻き込まれてもいない。
俺が望んだんだ。
俺があなたの心に付け込んだんだよ。
自分の不安を…心細さを…
あなたは受け入れてくれたから。
あなたは…
人の痛みを自分のことのように
受け止め、受け入れる人だから…。
あなたの好きがずるいなら
俺たちみんなずるいだろ?
別に智だけじゃないじゃん?
俺もまーくんもJも翔さんも
みんな同じだよ?
でもいいじゃん、それで。
共犯者、上等じゃん?
俺、智が好きだよ。
一番じゃなくても好きだよ。
同じように
まーくんもJも翔さんも好きだよ。
こんなずるい俺のこと、智は嫌い?」
瞳にあった強い光はいつの間にか弱くなり
今にもなくなりそうな儚さを孕んでた。