第13章 Childhood's end
大野side
俺たちに気付いたのか
運転手さんが話しかける。
運:「お客さんたち、
嵐のなんて言ったっけ?
リーダーとあのかわいい子に
よく似てるね?
もしかして本人?」
当然、詮索されるのは
真っ平ごめんだから…。
「そんなに似てるように見えます?
俺たちなんでか時々
そんなこと言われるけど…。
残念ながら違うんですよ
明るいところで見たら
そんなに似てないですよ。
あっそこの角で停めてください」
そう言ってマンションの手前で
停めてもらった。
お金を払いお釣りはいいと言って
そのままタクシーを降りる。
タクシーが走り去るのを確認して、
和とマンションに向かって歩く。
「とにかくマンションに行こう?
全てはそれからね?
あっあと、さっきの
マネーシャーからの時間変更の件は
嘘だから」
驚いた顔でおいらを見る。
N:「え?嘘?」
「うん、
あれなら引き留められないと思って。
あれ以上あそこにいるの
キツかったでしょ?
おいらも辛かったから…」
N:「智さん…」
マンションのエントランスを抜け、
エレベーターで部屋のある
フロアーに上がる。
部屋に入り、
おいらはそのままキッチンに行く。
「和ぅ~上着かける場所
わかってるでしょ?
着替えるなら適当に出して
着ていいからね?」
和に声を掛けながら
簡単に酒とつまみを用意して
さらにバスルームに行って
お風呂のセットをする。
ついでにマネーシャーに電話を入れ、
辻褄合わせを頼んで電話を切る。
これぐらいやれなくちゃ
この業界は勤まらないからその辺は
例え東山さんに突っ込まれても
上手くやるだろう。
一旦キッチンに戻って
用意したものを持ってリビングに行った。