第13章 Childhood's end
二宮side
O:「東山さんすみません。
マネーシャーからの連絡で
明日の入り時間変更になったって。
本当に申し訳ないないんですが
失礼させてもらってもいいですか?」
東:「え?そうなの?ニノも?」
O:「はい、二宮もです。
木村さん、黒田さんたちもすみません。
とても楽しかったし、もっと色々、
お話を聞きたかったんですが…」
東:「仕事なら仕方ないよね。
俺の立場としては
サボっていいとは言えないし」
O:「すみません、失礼します。
ほら、ニノ行くよ」
そう言って俺を促す。
なんかよくわからないけど、
この場を離れたいから智さんに従う。
「急ですみません、失礼します。
東山さん、
今日はありがとうございました」
それだけ言って智さんの後を追うように
店を出た。
智さんは何も言わず大通りに向かって
歩を進める。
俺も無言でついていく。
智さんが通りで手を上げ、
タクシーを停めた。
智さんが俺に先に乗るようにと
肩を軽く押す。
俺が乗ると智さんも続き、
運転手さんに行き先を告げた。
車窓を流れる夜景。
智さんの手が肩に回る。
O:「大丈夫?
ちょっと飲みすぎたんじゃない?」
運転手さんに聞こえるぐらいの声で聞く。
智さんが俺の顔を覗くふりして
耳許で別のことを囁く。
O:「よく頑張ったね」
その瞬間、堪えてたものが零れ落ちる。
O:「眠いなら凭れてていいから」
バックミラー越しに俺たちを見る
運転手の視線から俺を隠すように
俺の頭を自分の方に引き寄せる。
「うん、ありがとう先輩」
そう言って酔っ払いの振りをした。