第13章 Childhood's end
二宮side
席につくとお酒と前菜が出てくる。
和テイストのフレンチらしい…。
高いものが苦手な俺には
この時点でかなりハードルが高い。
でも智さんに言われたように
ここは芝居だと思って乗り切る。
それにしても…黒田って名字とこの顔、
どっかで見た気がするんだけど…。
でも接点ないよなぁ。
適当に盛り上げながら食事は進む。
幾分かその場に馴染んだ頃だった…。
黒田さんが突然言い出した。
黒:「葛飾区立○○小学校 5年○組
二宮和也くんだよね?」
「え?……
確かにそれ、
私の通ってた小学校ですけど…」
黒:「境先生のクラス…だよね」
ニヤリと笑う黒田さん。
なんなの?何がいいたいの?
「確かに担任でした。
あの、なぜそれを?」
黒:「オレ、そんなに印象薄かった?
同じクラスだったのに。
いつ気がつくかな?って
待ってみたけど
全然気がつかないし…。
やっぱり、今をトキメク芸能人様は
一般人のことなんて
忘れちゃうもの?」
「黒田…くん?
いや、そういうことじゃないけど…。
正直、小学校のことは
ほとんど覚えてなくて…」
そういいながらも次々浮かぶ
小学校時代の日々。
訳もなく苛められ、辛い記憶ばかりの日々。
だから忘れたはずなのに…。
黒:「そうなの?覚えてない?
みんなで女子の着替え、
覗きに行こうとしたじゃん?
ほかにもさ、みんなでイタズラして
教科書隠したりさ」
醜悪な内容をさも、楽しげに話す…こいつ。
そうだ、思い出した。
こいつだ、あの苛めの首謀者。
東:「え?ふたり知り合いなの?
もしかして同級生?
あっ前に言ってた芸能人の友達って
ニノのことなの?」