第13章 Childhood's end
二宮side
元麻布の坂を下り、
大きな大使館の建物の先にその店はあった。
ここは都会のど真ん中、
近くにテレビ局や業界関係会社も
多い場所だけど…。
そんな華やかさとは一線を画す、
隠れ家という言葉が似合う場所だった。
店に入ると既に東山さん夫妻は到着してた。
「お疲れ様です。
お待たせしましたよね?
すみません」
東:「いや、待ってないよ。
俺たちもちょっと前に
着いたばっかりだから」
木:「なんかすみません、私の我が儘で…。
大野さんもありがとうございます」
深々とお辞儀されこっちが恐縮する。
O:「こちらこそ、お邪魔してすみません」
東:「いや、大野が来てくれてよかったよ」
そんな話をしてると入口に人影が見えた。
木:「由梨ちゃん、黒田くん!待ってたよ」
黒田さんと由梨さんね…。
夫婦かな?
東:「ニノ、大野、紹介するわ。黒田夫妻。
奥さんが佳乃の
アメリカ時代の後輩なの。
詳しい話は食事しながらね。
黒田くん、こっちが」
黒:「よく知ってます。
嵐の二宮さんと大野さんですよね。
番組、よく拝見してます」
そういって笑う。
でも…なんだろう?
瞳の奥になにか隠してるような…。
O:「ありがとうございます」
そう言ってお辞儀する智さんをみて
俺もお辞儀した。
店の人案内で通された部屋。
6人掛けの大きなテーブルに
どう座るかで少し迷ったものの
上座奥側から
木村さん、由梨さん、黒田さん、
上座手前側から
東山さん、智さん、俺で纏まった。
東山さんは俺たちを
上座側にしようとしたがそんなこと
絶対ムリなので丁重にお断りした。
木村さんは由梨さんと久し振りに
話したいようで隣り合わせを希望され、
その横に黒田さんが座るというので
こんな席次になった。