第12章 tie me up… tie you down…
櫻井side
O:「ご褒美、中途半端になっちゃったね?」
「いや、積極的な智くんみれて、
わりと満足だけど」
そう言ってニヤける俺に
顔を真っ赤にした智くんが言い放つ。
O:「バカ翔!もぅ……大………好き」
そう言って俺の肩に顔を埋める。
「俺も好きだよ」
赤くなった耳に軽くキスをして続ける。
「ご褒美はもぅいいけどさ……
皆で旅行とか行きたくない?
どっか南の方とかさ?」
O:「南の島ってハワイとか?」
「ハワイも悪くないけど
もっと日本人が少なそうなところ?
でなきゃ国内でも穴場の島とか?」
O:「海、いいね!釣りしたい!」
「ほんと好きだねぇ…釣り」
O:「え?もしかして……嫉妬?」
「なんで釣りに嫉妬するんだよ?」
O:「だって前に番組で言ってたじゃん、
『25時間も連絡取れないなんて
ありえない』って」
「確かに言ったけど…」
O:「翔ちゃんも一緒に来れば
連絡取れるよ!」
「ってか25時間も船の上とかムリだから。
でもマジで行きたくない?
南の島とか…」
O:「どれぐらい?」
「2週間ぐらい?」
O:「そんなに居たら仕事、
戻るの嫌になりそう」
「う~ん…どうだろう?
皆でなら平気じゃない?」
O:「いっそ、レコーディングとか
プロモーションビデオの撮影とか
ひっくるめて1ヶ月!
うちフリー1週間とかならありか?」
「智くん、それいいかも?
それなら事務所のOK出そうじゃない?」
なんか楽しくなってきた。
どうやって事務所を攻略するか
頭を動かし始める。
いつの間にか俺の膝に頭を載せた智くんは
寝息をたて始めた。
寝顔を見つめながら、
智くんの口から出た本音を
頭の中で反芻する。
心変わりしたら一緒に逝く…。
俺の命は智くんにあげるけど…
智くんがいなくなるのは嫌だな…。
まぁ心変わりなんてしないけどね。
すでに俺は智くんに雁字搦め。
どうしようも無いほど愛してるから…。