第12章 tie me up… tie you down…
大野side
S:「ん?どうした?」
翔ちゃんの少し掠れた声。
「なんでも…ないよ」
S:「ほんとに?」
「ん。ほんと。
ただ幸せだなって…思って」
胸に埋めてた顔を少しずらし、
耳を翔ちゃんの躰に付ける。
少しゆっくりめのビートを刻む命の音。
その音に耳を澄ます。
翔ちゃんのぬくもりと刻むビートに
そのまま眠りにつきそうなおいら。
S:「智くん?眠い?でもそのままじゃ
流石に気持ち悪いでしょ?」
翔ちゃんの問いかけに夢うつつで返事する。
S:「風呂、用意してくるから」
そんなおいらに笑いかけながら
翔ちゃんがベッドを降りる。
しばらくして足音が戻る。
S:「風呂、入ったよ?立てる?」
眠いのもあって首を振ると
翔ちゃんが腕を伸ばしおいらを抱っこした。
S:「ほんと、手の掛かるお姫様だねぇ、
智ひめ?」
「姫じゃないし…」
むくれるおいら。
くすくす笑いながら
バスルームに連れていかれそのまま、
綺麗にされる。
明るいバスルームで躰を洗われるのが
恥ずかしくて側にあった小さなタオルで
顔を隠す。
S:「うっわっ」
翔ちゃんの声に驚いてタオルをはずして
思わず翔ちゃんをみる。
S:「智…どこにキスマーク点けてんだよ?
ここはやばいでしょ?」
翔ちゃんの鎖骨の下にはくっきりと
キスマークが残ってた。
「ごめん…」
謝るおいらに翔ちゃんは
気にしなくていいと言う。