第12章 tie me up… tie you down…
櫻井side
智くんの選択を見つめる。
智くんの手が動くまでの時間が、
とてつもなく長い時間に感じた。
覚悟を決めたような顔をして
智くんが瓶を掴む。
紅い筋を内包した琥珀を流し込んだ智くん。
すこし赤くなった顔と潤んだ眸で俺を見る。
智くんを抱き上げベッドに下ろす。
心細げに自分を抱く智くんの手首を
見た目はかわいい手錠で拘束した。
バスローブ一枚で両手を拘束される智くん。
拘束された不安と偽の媚薬の効果を信じて
息をあげる智くんの姿は儚げで…。
触れるのが惜しくて…そのまま眺める。
ひとり、躰を熱くし呼吸を乱す
智くんの姿に煽られる。
何もしない俺に焦れたのか?
智くんの手がシャツを掴む。
そのまま貪るようなキスを
仕掛けてくる智くん。
智くんからもっと求めて欲しくて
敢えて反応をせずされるがままになる。
不安げに唇を離す智くんがいとおしくなる。
不意にネクタイを引き抜く。
ネクタイの擦れる音にビクッとする智くん。
腕を頭上で纏め、
ベッドヘッドに括り付ける。
身を捩り、なんとか外そうと動く智くん。
そのしぐさが俺の嗜虐心を刺激する。
その場を一旦離れ、シャンパンを手に戻ると
今にも泣きそうな顔の智くん。
その表情にクラクラする。
今度は俺からキスを仕掛ける。
絡む舌が『もっと』と訴えるのを無視して
はだけた胸にキスをする。
煽るだけ煽ってキスをやめ、
また智くんを見下ろす。
O:「翔ちゃん……やだ……見ないで……」
「なんで?もう立ってるじゃん?
智くんの胸…。
あんなキスで火がついた?
それとも…媚薬のせい?」
O:「ぃやだぁ……翔ちゃんの……
翔ちゃんの視線が……熱いから……
恥ずかしいから……みないで」
そういって隠すように身を捩ろうとする。