第12章 tie me up… tie you down…
大野side
腕を拘束されたおいら。
躰を廻る熱は冷める気配もなく、
吐息が洩れる。
そんなおいらを見つめる翔ちゃん。
なにをするわけでもなくただ立って
息をあげるおいらを見ている。
身に付けているのは
バスローブだけという心細い状況。
沈黙に耐えられなくなったおいらは
翔ちゃんに声をかける。
「翔ちゃん?」
S:「なに?智くん」
「『なに』…って…はぁ…
翔……ちゃん……」
S:「ん?どうした?」
おいらは耐えられなくなって
翔ちゃんに手を伸ばす…けど…。
手錠が腕の自由の邪魔する。
それでも無理矢理、腕を伸ばし
翔ちゃんのシャツを掴む。
そのまま翔ちゃんの唇に
自分の唇を押し当てる。
翔ちゃんの唇を舌で舐め、
緩んだところに舌を捩じ込む。
翔ちゃんの口の中を舌で探る。
唾液が混じり、水音が響く。
その音がさらに躰に火をつける。
翔ちゃんはおいらに
されるがままになっている。
翔ちゃんの口内を暴れるおいらの舌。
でも翔ちゃんはそれを押し返すでもなく
かといって絡めるでもなく…。
不安になったおいらが唇を離す。
そんなおいらをみて
翔ちゃんがにやりと笑いベッドへ押し倒す。
翔ちゃんの手かのびて
拘束されたおいらの腕を
ベッドヘッドの方に伸ばす。
シュッとシルクが擦れる音がした。
翔ちゃんは自分のネクタイを外し
手錠の鎖の部分をベッドヘッドに
ネクタイで固定する。
おいらは…ベッドに囚われた。