第11章 Sweet remedy
二宮side
いつもならあれぐらいのやり取りは普通で
まーくんだって受け流すなり
なんなりするのに…。
やっぱりなんかあったのかな?
O:「和?口にあわなかった?」
大野さんの声。
目を上げるとふにゃっと笑う
いつもの顔が見えた。
「え?あ…ごめん。
ちょっとどっか行ってた?」
S:「珍しいね?ドラマ、きついの?」
「いやそんなことないですよ。
まぁ周りが凄い人ばっかりなんで
大変じゃないと言えば
嘘になるでしょうけど勉強になるし、
楽しんでますよ」
M:「ふーん。それは…面白そう♡
差し入れとか持って
見学に行こうかな?」
「差し入れは大歓迎ですよ、差し入れはね」
M:「えー?差し入れだけ?」
俺たちが話してても
まーくんは押し黙ったまま。
やっぱりいつもと違う。
翔さんが大野さんの顔を見て
『何があったの?』って目で聞いてる。
Jもこの微妙な空気をいぶかしんでる。
俺だって…。
食事もある程度終わったところで
大野さんがまーくんに声を掛ける。
O:「雅紀…いい加減にしな?
もう、終わったことでしょ?」
A:「だって大ちゃん…」
O:「だってじゃないよ。
そんなふうにむすっとしてたり
イライラしてたり…
いいこと一つもないじゃん」
全く話の見えない俺たちは2人の会話を
見守るしか出来なかった。