第11章 Sweet remedy
二宮side
O:「おいら、話すよ?」
まーくんの目を見ながら大野さんが言う。
O:「別にそんなに
大したことじゃないんだけどね」
そんな前置きから大野さんが
今日の現場であったことを話してくれた。
今日の現場はバラエティーで
芸人さんがMCで二人は番宣を兼ねた
ゲストだった。
二人以外に何人か女性のタレントさんがいて
そのなかにふたりの苦手なタイプの
タレントさんがいたという。
案の定、トークは弾まず
収録はなかなか終わらないし
悪口と毒舌の区別のつかない
そのタレントさんは
延々、俺らのことを弄ったらしい。
まーくんは自分のことは
いくら言われても平気だったんだけど
大野さんやその場にいない俺らのことを
言われてかなりしんどかったみたい。
O:「まぁさ、おいらは基本流せるし、
みんなのこともフォローしながら
流そうしたんだけどさ」
A:「ってあれ、流せるレベル
超えてたじゃん!」
O:「確かにちょっといきすぎだとは
思ったけど
編集でカットになるだろうし」
S:「いや、雅紀がここまで荒れるって
相当じゃない?」
O:「潤くんやニノじゃなくて
良かったとは思うよ」
M:「智くんそれどういう意味?」
O:「まんまだよ。
だってあの場に潤くんがいたら
もう絶対キレてたと思うし。
潤くん素直だから。
ニノならもっとえげつないやり方で
仕返ししてるだろうし…」
S:「うわぁ~そのレベルだったんだぁ」
翔さんが頭を抱える。
しかもまーくんのイライラした雰囲気が
伝わってその件で
大野さんがディレクターにイロイロ
言われたらしく…。
M:「それはお疲れさま…だったね」
Jが大きなため息とともに
吐き出すように言う。
「それでまーくん、荒れてたんだ。
突っかかって…ごめん」
さっきから引っ掛かってたものが
取れた気分だった。