第11章 Sweet remedy
櫻井side
「潤、おかえり。
『どうしたの』ってまぁ見たまんま?」
智くんが大きなホーローの鍋を抱えて
キッチンからダイニングにくる。
O:「潤くん、おかえり。
その話は置いといて着替えてきたら?
もう、夕飯出来るよ?」
鍋をテーブルに置き、
何事もなかったように
キッチンに戻る智くん。
O:「雅紀、パスタ大丈夫?」
A:「え?あぁ…うん」
O:「よそ見してるとケガするよ?
疲れてるなら
先、席についててもいいよ?
あと、おいらがやるし」
聞こえてくるふたりのやり取り。
智くんの声も口調も穏やかだけど…
暗に席についてろと言っていた。
ニノはまだソファーでふてくされてる。
相葉くんも察したのかダイニングにくる。
O:「翔ちゃん、手伝って~」
「お、今、行く!」
相葉くんと交代するように
キッチンに入った。
智くんは小声で俺に囁く。
O:「ゴメン、ちょっと今日は現場で
イロイロあって…。
雅紀、イライラしてるの」
「イロイロって?」
O:「う~ん?色々。まぁ後でね。
とにかく食べようよ?」
パスタを大皿に盛り俺に手渡すと
智くんはそのまま階段に向かう。
O:「潤く~ん、ご飯出来たよ!」
一声叫んでリビングに戻ってくる。
そしてニノに声をかけて席につかせる。
階段を下りる音がして
着替えた潤も席につき…
久しぶりに5人揃って夕飯の食卓を
囲うことになった。