第10章 Super Fresh!
櫻井side
智くんの帰国日。
俺の車で空港に行く。
到着ロビーでふたり、帽子を目深に被り、
智くんの帰国を今か今かと待っていた。
飛行機の着陸からおよそ1時間後。
到着ゲートから
でっかいミッキーのぬいぐるみと
クマのぬいぐるみが出て来た。
一瞬、目を疑ったがそのぬいぐるみの
後ろに隠れたシルエット。
智くんの姿だった…。
度肝を抜かれた俺たちだけど
そのままにするわけにもいかないので
慌ててぬいぐるみを積んだカートを押す
智くんのところに行った。
M:「ねぇそれ…なに?」
おかえりよりも先に潤が聞く。
O:「え?みりゃわかるでしょ?
ぬいぐるみだよ」
あきらかに不機嫌そうな声の智くん。
その場にとどまるわけにもいかないので
歩きながらこそこそと会話を続ける。
M:「いやそれはわかるけど…
そうじゃなくて…
なんでそんなの持ってるの?」
O:「だって…なんか限定らしくってさ…
和がさぁ…」
ぶつぶつ呟きながら歩く智くん。
智くんからカートを預かり
俺たちは車を停めてある駐車場に向かった。
カートを押しながら智くんを見る。
「智くんおかえり。
長旅、お疲れさま」
ぬいぐるみの話は後ですることにして
まずは長旅をねぎらう。
O:「ただいま。
翔ちゃんも潤くんも、
迎えに来てくれてありがとう。
2人とも…
スケジュール大丈夫だったの?」