第9章 Rely on me
大野side
「翔ちゃん、部屋、もどろ?」
S:「あぁ、うん」
部屋に戻り、とりあえず部屋着に着替えた。
潤くんから預かった料理を冷蔵庫に入れて
キッチンから声をかける。
「翔ちゃん、あったかいものなんか飲む?」
反応がないから一旦リビングに戻ると
翔ちゃんがリビングに立ったまま
ぼーっとしてた。
なんにも言わずに額に手を当てる。
「翔ちゃん?また熱、上がってるね?
もう寝よ?ね?」
S:「やだ、寝ない。
智くんが欲しい」
「翔ちゃん、わがまま言わないの。
まったく何言ってるんだか。
そんなに調子悪いなら夜間診療行く?」
S:「行かない。
わがままじゃないし…
だって智くんに触れたいの」
おいらは我慢できずに
翔ちゃんを抱きしめた。
「翔ちゃん…あのねぇ…
おいらも一生懸命我慢してるの。
昨日からってゆうか
熱出した時の翔ちゃん、
かわいすぎるから…。
でも、病人に手を出すなんて
最低でしょ?」
おいらの肩に顔を埋める翔ちゃん。
S:「智くん…ごめん。
智くんの気持ち、わかってなくて…
わがまま言って…甘えてごめん」
肩に暖かいものが落ちた。
「いいよ、気にしなくて。
甘えてくれるの…嬉しいし。
翔ちゃんいつも一人で
頑張っちゃうじゃん?
だからね、もうちょっと
頼ってほしいなぁって思うんだ。
だからこうやって
甘えてもらうのも嬉しいんだ。
でもさ、それでおいらがさ
翔ちゃんの体の負担とか考えずに
おいらの気持ち、
ぶつけるわけにいかないでしょ?」
そう言いながら抱きしめる腕に力を籠める。
少しでもおいらの気持ちを伝えてくて…。