第9章 Rely on me
櫻井side
智くんの腕の中で智くんの本音を聞く。
自分の甘えがすごく恥ずかしくなった。
智くんがさらに言葉をつなぐ。
O:「翔ちゃん、熱が下がって
元気になったらさ…ごほうび…あげる」
「智くん?」
O:「翔ちゃんの好きなものでいいよ?
なんでもあげるから…
今日は大人しく寝て?」
智くんの気持ちが抱きしめる腕から
伝わってくる。
「うん、わかった。
ご褒美、楽しみにしてるね」
O:「なんか怖いけど…まぁいいや。
薬、飲んでね」
「はーい。なんか母親みたい」
照れ隠しで言ってみる。
O:「母親は息子とHなことはしません」
智くんの鮮やかな切り返し。
「うん、確かに…じゃぁ奥さん?」
O:「嫁に行った記憶はないけど?
とにかく薬飲んで寝なよ。
明日の朝、下がってなかったら
ホントに病院行こうね」
「病院は…考えとく」
O:「翔ちゃん、病院嫌いだよね?」
「うん、色々思い出すことがあるから
出来るだけ近寄りたくないの」
O:「翔ちゃん…」
「薬、ちょうだい。飲んだら寝るから。
智くん、客間、使ってね。
あとお風呂とか
勝手に使って大丈夫だから」
O:「うん、そうさせてもらうね」
智くんがおやすみのキスをくれた。
O:「ゆっくり休んで…」
「うん、おやすみ」
部屋に戻ってさっきの智くんの言葉を
思い出す。
「もっと頼って…か…」
でもさ、十分すぎるぐらい頼ってると
思うんだけどなぁ。
だって…智くんのいない明日なんて
思い描けないんだから…。
「おやすみ、さとしくん
ごほうび、楽しみにしてるね」
それにしても…
たまに熱を出すのもいいかもしれない。
長男故か甘えるのが苦手な自分が唯一?
甘えられる時間だから…。
明日にはいつもの自分に戻ってると思う。
素の自分で少し甘えてみようか…?
難しいけど…
そんな自分もいいかもしれない。
楽しいことを思い浮かべながら
眠りについた。
<終わり>