第9章 Rely on me
大野side
ほんと…翔ちゃん、
熱が出ると人が変わるというか…。
熱々のおかゆに息を吹きかけ冷まして
翔ちゃんの口に運ぶ。
なんか…ひなにえさを与える親鳥の気分?
「はい、これでおしまい。
薬、取ってくるから待っててね」
S:「ごちそうさまでした
ねぇ、さとしくん?ごほうびは?」
やっぱり覚えてたか…。
「とりあえず薬飲んで」
S:「のませて♥」
「やっぱりそうなるよね?」
S:「うん」
口に水を含み、翔ちゃんの唇に錠剤を挟む。
そしてそのまま唇を重ねる。
ごくんと喉がなる音を聞いて唇を離す。
S:「ねぇ?ちゃんと待ってたごほうびは?」
「熱下がったらね」
S:「えーーー」
「えーーじゃないよ。
食べたばっかりじゃ寝れないだろうけど
とりあえず布団、入ってなよ」
S:「さとしくんが一緒にいるなら寝る」
「いいよ。
少しお腹に入れたら行くから…
お布団に入っててね」
S:「絶対きてね」
「絶対って…ちゃんと行くから」
渋々って感じで
翔ちゃんは部屋に戻っていった。
背中を見送りながらコンビニで買ってきた
おにぎりを食べる。
あんな顔でねだられたら…
我慢するこっちの身にもなって欲しいよ。
食べ終わり、食器を片付け一息つく。
翔ちゃんの部屋を覗くと…
既に寝ていたのでそのままドアを閉めた。