第9章 Rely on me
大野side
動こうとしたけど…動けなかった。
だって翔ちゃんがおいらのスエットの裾を
がっちり握ってるんだもん…。
仕方ない…
このまま一緒に寝るしかないか…。
明日の段取りを考えているうちに
気がついたらおいらも寝てた。
翌朝…隣で眠る翔ちゃんを見る。
冷えピタはとっくに取れてた。
その額に手を当てる。
まだ熱っぽい。
ベッドを抜け出しリビングに向かう。
携帯をチェックすると
みんなからメール来てた。
どれも翔ちゃんの様子を聞くものだったので
とりあえず現状だけ簡単に返信した。
次に事務所に連絡して送迎の車を
回してもらう手配をした。
「さて、どうしよう?」
キッチンに行って冷蔵庫を確認する。
やっぱりほとんど食べるものはない。
コンビニ、行ってくるしかないよな?
そんなことを考えてると背中で
ドアの開く音がした。
振り返ると
少し顔の赤い翔ちゃんが立ってる。
「翔ちゃん、起きたの?」
S:「さとしくん、おはよー」
「おはよう。具合はどぉ?」
S:「まだちょっと…?」
「だろうね、そういう顔してるもん。
おいらコンビニ行ってくるから
少し待ってて」
翔ちゃんが不安そうな顔でこっちを見た。