第9章 Rely on me
大野side
ニノの運転で翔ちゃんのマンションに着く。
駐車場に車が停まる。
肩からは翔ちゃんの寝息が聴こえる。
人に寝顔をあんまり見せない
翔ちゃんにしては珍しいと思う。
それだけ具合も悪いんだろうなぁ。
N:「部屋の鍵ください。
荷物は俺が持っていくから…
翔さんをおねがいします」
鍵を渡し荷物を持つニノを先頭に
部屋に行く。
まだ寝てる翔ちゃんはおいらがおんぶした。
おんぶする時に少し起きかけた
翔ちゃんを宥めてそのまま背負う。
暫し、無言で部屋に向かう。
部屋に入り、
翔ちゃんを寝室のベッドに寝かせた。
一端、リビングに向かうと
ニノが荷物を置いてた。
見覚えのないビニール袋。
おいらの視線に気づいたのか
ニノが笑いながら言う。
N:「迎えに行く前に
コンビニで買っといたの。
ポカリとか冷えピタとか
入れてあるから使って」
ニノの気遣いが嬉しかった。
「うん、ほんとありがとう。
そうさせてもらう。
ところでニノはどうする?
泊まってく?」
N:「そうしたいところだけど…家に戻るわ。
明日、入り17時だったよね?
時間あるから寝れるし、
寝るなら家が一番落ち着くから」
「そうだね。確かに…。
その方が落ち着くよね」
N:「じゃ、帰るね」
「送るよ」
そう言ってニノを送るために
マンションを出る。
大通りまでの道すがら
ニノから釘を刺される。
N:「あのさ、智くんも無理しないでね」
「え?」
N:「あなた、人一倍俺らのことに敏感なのに
自分のことになると驚くほど
無頓着だから」
そう言って拾ったタクシーに乗って
帰ってったニノ。
「無頓着って…」
釈然としないままニノを見送って
翔ちゃんの部屋に戻った。