第8章 Dive into the blue
松本side
心地いい夜風が
智くんのさらさらの髪を撫でる。
智くんの両手が俺の頬を包み、
そっと唇が触れた。
そのまま抱きしめようとした俺の腕を
さらりとかわし部屋に戻る智くんを追う。
部屋の中で俺が来るのを
待っているかのように智くんは立っていた。
その体を後ろから抱きしめる。
「智くん、酔ってる?」
O:「うーん、どうだろう?
酔ってるようにみえる?」
俺の肩に頭を置き、俺を見上げる。
「じゃぁ…誘ってるの?」
O:「どう…思う?」
意識しているの無意識なのか?
智くんは赤い唇を舐めながら
試すように聞いてくる。
「俺には誘ってるようにしか見えないよ…?
嫌なら今のうちだよ?」
O:「嫌じゃないっていったら?」
「言ったら…?
このまま押し倒して全部奪うよ?
イヤだって言っても止まんないよ」
O:「いいよ…じゃぁ奪ってよ?
ほんとの潤くんを…。
俺にみせて?」
言い終わるか終わらないかのうちに
智くんの唇を奪う。
紅い唇に貪るような口づけをして
存分に味わう。
どれだけ口づけても足りない。
強引に舌を入れる。
智くんの舌を絡め捕ろうとするけど
なかなか捕まらない。
飲み込みきれない唾液が
口角から零れ墜ちる。