第20章 Sweeter than SWEETS
「ね、ヤバくない?」
車内の時計を見ながら松潤に問いかける翔ちゃん。
ちらっと外を見ると現在地と思われる地名を口にする。
僕は車も運転しないし、道も地理も詳しくないから全然わかんないけど…松潤の顔色がサッと変わったところをみて、状況が良くないことだけはわかった。
狭い車内でなんとか着替えるオイラたち。
「…衣装、積んどいて正解だったね」
ほぼ着替え終わったニノが言う。
その声に重なるように松潤の指示が飛ぶ。
「みんな、ジャンパーの上にコート着て?
マネージャー、次の交差点で車停めて。
車止まったら…走るから」
「お、マジか?
パニックにならない?」
「多分平気。
間に合わない方が問題だし…」
「まぁ、Twitterとかに目撃情報は出るでしょうけど…」
「智くんはとりあえず俺に付いてきて」
「わかった、翔くんについていけばいいのね?」
「ニノ、道わかるよね?
みんな準備は平気?」
松潤の確認に頷くと、「開けて!」って声とともに移動車のドアが開いた。
ニノと翔くんが走り出すのを追いかけて一気にドームの通用口に向かった。