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しあわせはここにある【気象系BL小説】

第20章 Sweeter than SWEETS




舞台袖のちょっとしたスペースに集まっ
た俺たち。

今の曲の終わる直前で舞台上に並ぶことになっている。

袖から見えるモニターとスピーカーの音から残りの時間に見当をつける。


「よし!」


スピーカーの音に消されるぐらいの音量で翔ちゃんが声をあげた。

それを契機に俺たちはそれぞれ握手を交わす。

今日も頑張ろう!
声に出さずに思いを伝え自分自身に気合をいれる。

舞台に出る前の俺たちのルーティーン。
握った手から伝わる体温が安心感をくれた。

そして…スタッフさんの合図で素早くステージに出た。

暗転から一気に明転したホール。

台本どおり架純ちゃんが話を振ってくる。

ちゃんとコメントしようと思ったのに口から出たのは全然違うものだった。


「すいません、なんか、すいませんでした。
 ありがとうございました」


それは隠しようのない本音だった。

みんなが背中を護ってくれてるって、何があっても嵐は傷つかないって、その言葉をもちろん信じてたけど…それでも予定外の事態の多さに折れかけてた心。

終盤の時間を5人で迎えられたことの安心感がありがたさと自分の不甲斐なさを浮き彫りにして…謝ってた…。

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