第20章 Sweeter than SWEETS
本番20分前。
用意された羽織袴を着せてもらって台本の最終チェックをしてると楽屋の扉がノックされた。
「はーい、どうぞ」
挨拶も打ち合わせもとにかくたくさんでもう、誰か確認する前に声だけで通してしまってる。
ガチャっていう小さな音の後に聞こえたのは「楽屋見舞いに来ました!嵐でーす!」っていうみんなの声。
「…うそ……」
「ほんとだし」
思わずこぼした一言にすかさずニノが返してくる。
「お、泣いちゃう?」
「泣かないし」
翔ちゃんが分かってるよって顔で茶化すように掛けてきた声に真っ直ぐ返す。
「ふふ、相葉ちゃん、かっこいいね、似合うよ」
いつものようにふにゃって笑いながら言うのはおーちゃんで隣にいる松潤は無言で足元をみてた。
「なんか…短くない?」
「なにが?」
口を開いた松潤に翔ちゃんが聞いた。
「いや、袴の丈…。
相葉丈になってる気がする…」
「ああ…やっぱりわかっちゃうよねぇ」
「確かに、短いけど…立ったらそれほどでもないとか?」
翔ちゃんがフォローするように言うけど…。
立ってもわかるぐらい短い袴。
そっと立った俺にみんなが顔を見合わせた。