第20章 Sweeter than SWEETS
車から降りて荷物を手に足早に楽屋に入った相葉ちゃん。
元気よく挨拶しながらニノ、翔ちゃん、松潤の順にほっぺにチューしていった。
「うわっ!なにすんだよ!相バカ!」
「えっ…どうした?雅紀?」
「………」
三者三様の反応を返してるのをみながら一応楽屋に鍵を掛けてみた。
多分ゲームの途中だったニノは驚きのあまりに変なところ押したんだろうね…。
虚しい電子音が流れてた。
それをBGMにキスされた翔ちゃんは少し嬉しそうな顔で相葉ちゃんを見つめてた。
その翔ちゃんの視線を受けながら松潤のほっぺに唇を押し付けた相葉ちゃん。
松潤は突然のことに珍しくフリーズして相葉ちゃんの唇の離れた頬に手を当ててる。
それはほんの一瞬の出来事。
時の止まった楽屋の空気を進めたのはこれまた珍しく松潤の怒声。
でもね、僕知ってるよ?
その声に含まれる嬉しさを。
逃げる相葉ちゃんを追いかける松潤にニノが加勢してあっという間に捕まった相葉ちゃん。
翔くんは僕の隣に来て「ありがとう」って言いながらさっきの雅紀みたいに僕の頬に口付けをした。
いつものコンサート前の空気が戻った楽屋に誰よりもほっとしたのは僕かもしれない。