第20章 Sweeter than SWEETS
ふたりでワーキャー言いながら夕飯を作って、出来上がったものを摘みながら珍しそうな海外のビールを飲んで…。
時間がゆったりと過ぎていくような感覚を味わう。
ふと隣の相葉ちゃんに視線を移すと思いがけず目線が合う。
ちょっとビックリして体がビクって震えた。
そんな僕を見て相葉ちゃんが僕の手を包み込む。
悲しげな瞳で僕の指先を見ながら言うんだ、ごめんね…って。
「なんで相葉ちゃんが謝るの?」
「だって…」
「指切ったのは僕のせいだよ?
魚捌く時に切っちゃうのなんてよくあるし。
僕だけなら舐めて終わりしにしちゃうこともあるのに…ちゃんと手当してくれたの相葉ちゃんじゃん」
「でも………明日からまたライブはじまるし…」
「これぐらいなんでもないよ?
マイクだってちゃんと持てるよ?」
「でも…」
そう言って俯いちゃう相葉ちゃん。
年末が徐々に近づいてきて、それにつれてどんどん相葉ちゃんの自信が無くなってきてる。
収録でのなんでもない失敗さえ後に引いてる…。
紅白の重圧は計り知れない…。
その重さを知ってるのに…。
分かってるのになにもしないのは…絶対にダメなんだ。
やっぱりちゃんと話さなきゃ…。
そう思って相葉ちゃんを見た。