第20章 Sweeter than SWEETS
「相葉ちゃん優しいから。
後輩達もそれがわかってるんだろうね、きっと。
でも今日は僕が独り占めね?」
シフトレバーに置かれた相葉ちゃんの男らしい手に自分の手を重ねる。
「そうだね、折角だし楽しもうね?」
信号が青になる直前に相葉ちゃんの唇が僕の頬を掠める。
車の中とはいえ誰に見られてるかわからない中での突然のキスに驚く僕にナビが「間もなく目的地周辺です」と空気を読まずに告げてきた。
ナビの告げた場所にあるゲートに翔くんから預かったカードを通すと閉ざされていた門扉が開いた。
そのまま地下の駐車場に車を停め、とりあえずエントランスに向かう。
エントランスには人は居なくて代わりにそこに居た白いロボットに話しかけられた。
ロボットの指示通りに予め教えられていた暗証を入力する。
すると、部屋の鍵が壁から出てきて、部屋番号もそこで教えられた。
結局部屋に着くまで誰にも会うことなく、指定された部屋の中に入った。
「ほんとに誰にも合わずに部屋に入れたね」
「確かにこれならプライバシーも守られるよね」
相葉ちゃんが手元の鍵を見ながら言った。