第20章 Sweeter than SWEETS
「次はここにお願いします」
おーちゃんがそう言いながらナビに住所を入力した。
「え?ここ?」
示された目的地を見て思わず確認するとおーちゃんは大きく頷く。
馴染みの場所にごくごく近いその場所をもう一度見て、素直にナビの音声に合わせてハンドルをきった。
いつの間にか日が暮れ始めてる。
思ったより長い時間、あのビルの中にいたんだ。
「おーちゃん、疲れたら寝てていいよ?」
「別に平気だよ。
それより相葉ちゃんは?平気?」
「うん、運転するの好きだから…むしろ楽しいよ。
ある意味、勝手知ったる道だしね」
「そっかぁ、そうだよね。
お店の近くだよね?あそこ」
「うん、近いね。
てか、なにがあるの?」
「なんかね、翔くんのお友達のしゃちょーさんが譲ってくれたらしいんだけど…。
タワーマンションの一室なんだって。
セキュリティバッチリで絶対に情報が漏れないところらしい。
ほんとは社長さんが泊まる予定だったんだけど仕事で急遽予定変更する事になったからって…。
なんかね、大きなお風呂とかあるからゆっくりしておいでって翔くんが…」