第20章 Sweeter than SWEETS
「到着!ここで降りるよ」
相葉ちゃんが車を停めたのはどっかの地下。
いかにもオフィスビルって感じのビルの地下の駐車場だった。
「ここ?」
ショッピングと結びつかなくて思わず聞いた僕に相葉ちゃんは笑顔で頷くと車から降りた僕の手を引く。
「こっちこっち」
そのままエレベーターホールにエスコートしてくれる相葉ちゃん。
ホールにつくとまるで測ったようなタイミングで一基のエレベーターが扉を開けた。
おどろく僕にいつもの笑顔で大丈夫だよって目で伝えた相葉ちゃんはすぐに視線をエレベーターの中にいる人に向けた。
「今日はお世話になります。
急なお願いに協力して頂いてありがとうございます」
相葉ちゃんが頭を下げたから僕も慌ててそれに倣う。
エレベーターの中にいた人はいえいえと言いながら僕たちをエレベーター中に招き入れた。
エレベーターの中にはおしゃれなスーツ姿の男の人と相葉ちゃんと僕。
相葉ちゃんは当然ながらその人を知ってるし、男の人も僕が誰だかは明らかに認識してる。
分からないのは僕だけで少し居心地が悪い。
それを察したのか相葉ちゃんが小声で大丈夫だよって言ってコートの下で繋いでた手をぎゅっと握ってくれた。