第20章 Sweeter than SWEETS
「相葉ちゃんがよく行く洋服屋さんってどんなところ?」
唐突すぎる僕の質問に相葉ちゃんは何軒か行きつけのお店の名前を口にした。
「その中で一番気に入ってるところに行きたいな。
その…誕生日プレゼント、買いたいから。
あっ、もちろん洋服以外に欲しいものがあればそれでいいよ?」
翔くんから教えてもらったマンションに行くのにはなんか早い気がしてどうせならデートみたいなことをするのもいいかなぁって。
相葉ちゃん、洋服好きだし…でもここんところゆっくり見る時間もなかっただろうし…。
少しでいいから好きなことをすることで気持ちも前に向けるんじゃないかなぁって思ったんだけど…。
でもクリスマスにショッピングなんてやっぱり無謀かなぁ…。
「え?いいの?
おーちゃんが選んでくれるの?
なんかそれ、嬉しいかも」
ぐるぐる考え始めた僕とは反対に明るい声でそう言った相葉ちゃんはちょっと考えた顔してから「ちょっと待ってて」って言うと部屋を出た。
少しして相葉ちゃんがいつもの笑顔を浮かべて戻ってきた。
打ち合わせ中の3人に出掛けることを伝えたら明日の準備をしておくように言われたっていう。
あ、そっかぁ、あっちに泊まったら確かに荷物取りに戻れないもんね。
その言葉に素直に従っていつものカバンに必要なものを詰めて玄関に戻った。