第20章 Sweeter than SWEETS
「もう出来る?こっちの準備は出来たよ?」
突然の翔くんの声にちょっとびっくりした。
「ん?智くん?どうしたの?」
「え?なんでもないよ?」
「考え事?雅紀のことでも考えてた?」
「…なんでわかるの?」
「そりゃわかるよね?」
松潤が盛り付けた皿を翔くんに渡しながら言う。
翔くんはそれを受け取りながら笑って「わかんないわけないよ」って。
「僕、そんなに単純?」
なんか底が浅いって思われたみたいで癪に障って思わず言い返す。
「ちがうちがう、そうじゃなくてさ。
智くんならあの状態の雅紀を放って置かないと思ったからさ」
「それなら…まぁ…。
でもさ、どうしたらいいかわかんないんだよね」
「そこはDon't think, just feelじゃない?」
「えぇー、感じろって」
「智くんも雅紀も感覚系の人間だからさ、ここは思ったままに動いてみたら?
別に特別なことをする必要はないと思うんだよね。
いつも通りを雅紀が思い出せるようにね?」
翔くんは言うだけ言うと皿を持ったままキッチンを出ていってしまった。