第6章 甘い夢
大野side
何度も何度もキスをする。
どれだけ唇を重ねても足りない。
息があがる。
「しょぅ……ちゃん…、…しょ……」
うわ言みたいに翔ちゃんの名前を呼ぶ。
自分から翔ちゃんに「抱いて…」って
言ってしまった。
いつも素直になれず、
そんなおいらをわかってくれる翔ちゃんに
甘えっぱなしの自分。
そんなおいらに「もっと頼って」と
言ってくれる翔ちゃん。
変わりたいって思った。
1㎝でも1㎜でもいいから前に進みたいと、
進まなきゃって思った。
頼ってもらうのは難しいかもしれない。
でも…横にならんで歩いていきたいから…。
小さな決意をキスに籠める。
「しょ…ちゃ…す…き…」
唇が奏でる水音の合間に
吐息混じりの告白をする。
「ずっと…そばに…いさせて………」
S:「そばにいる…
たとえ智が嫌だと言っても
離さないよ…」
唇を耳許によせ、翔ちゃんが囁く。
S:「愛してる…智。
俺がどれだけ愛してるか
教えてあげる…」
いつもより低めの翔ちゃんの声。
囁くようにくれる愛の言葉が
おいらの身体に、心に火をつける…。
翔ちゃんの唇が首筋に這う。
その感覚に身体が震える。
「ああっ……しょうちゃんっ……っ」
触れられた部分が燃えるように熱い。
熱に浮かされるように手を延ばす。