第20章 Sweeter than SWEETS
ニノが冗談のように言い出した一言を真正面から受け取った大ちゃんが翔ちゃんを巻き込んだ結果、本当に面談が終わった。
「お疲れ様でした!
28日からのリハーサル、よろしくお願いします!」
そんなことを口々に言いながらスタッフさんたちが捌けていく。
「相葉さん、お疲れ様でした。
お先に失礼します」
架純ちゃんが俺たちに会釈して部屋を出て行く。
「相葉さん、おつかれ」
パタパタと足音を立てながらニノが俺の肩を叩く。
「ほら、帰って飲もう?
今日は相葉さんの誕生日じゃん」
「そうそう。ほら帰るぞ?」
ニノの後を追うように俺の周りに集まったみんなが小声で言う。
そっかぁ…今日、誕生日だったっけ…。
朝からスケジュールが詰まっててスマホ見る暇さえ無くて…。
そういえば昨日の夜、日付が変わった直後にグループメールがしばらく鳴ってたよなぁ…。
なんか、それさえも随分前に思う程、目の前のことに振り回されて余裕がなくなってるよ、俺。
「相葉ちゃん?どうしたの?」
動かない俺に大ちゃんが不思議そうに声をかける。
「ほら、行こ?」
大ちゃんの手が俺のを引く。
瞬間…金縛りが解けたように体が動き出した。