第4章 心の扉を開くのは
「——キリト、ちゃんと帰ってこれるかなぁ〜」
「大丈夫よ。キリトはあんたと違ってしっかりしてるから」
「僕もちゃんと帰ってこれるからね⁉︎」
偵守(ていしゅ)を一度終えて天界へ帰ってくるというキリトを迎えに、あたしとイーブィは関弓(かんきゅう)のある霜関(そうかん)の街までやってきた。
「しっかし、今日は一段と人が多いねぇ」
「そうね。バーゲンでもやってるのかしら」
「…あ、やってるね」
関弓周辺に建ち並ぶ店達には、『SALE』と書かれた紙がそこかしこに貼られていた。
「…ま、理由なら他にもありそうな気がするけどね」
イーブィがボソッと何か呟いた。
あたしはそれを聞き取れなくて、「え?」と訊いた。
だがイーブィは答えてくれず、右に同じくセール中の小さな店に入っていった。